組合と会社の相違


協同組合と会社は、ともに法人であり管理面等で多くの類似点をもっていますが、次のとおり、理念や性格の上で異なる点が多くあります。


  1. 株式会社は資本中心の組織であるのに対し、組合は組合員という限定された人を組織の基本としています。組合では、組合員1人の出資額が出資総額の1/4までに制限されていますが、会社にはそのような制限はありません。
    総会における議決権・選挙権は、会社では株式数に比例するため、多数の株式を所有する株主の意向による運営がなされますが、組合では各組合員の出資額の多少にかかわらず1人1票となっています。

  2. 会社は利潤をあげて株主に利益を配当することを目的とする営利法人ですから配当は無制限に行なえますが、組合が剰余金を配当する場合には、各組合員が組合事業を利用した分量に応じてする利用分量配当が配当の基準となり、出資額に応じて行なう配当は、年1割までに制限されています。

  3. 組合の事業は組合自身の利益追求ではなく、組合員に直接事業の効果を与えることを目的として行なわれます。また、組合の事業活動が特定の組合員の利益のみを目的として行なわれることは、相互扶助の観点から原則として許されません。

  4. 会社は資本の論理による経済合理性ひとすじですが、組合は経済合理性の追求とともに、人間性を尊重し、不利な立場にある組合員の地位向上を図るための組織です。会社にない制度上の特典が組合に与えられているのはこのためです。