組合の種類と主な事業
中小企業組合には、いくつかの種類があり、それぞれ法律によって所管行政庁(国・都道府県)の認可を受けて設立されます。その主なものは下記のとおりです。
事業協同組合(協同組合)
中小企業者が共同で事業を行ない、経営の近代化・合理化と経済的地位の改善向上を図るための組合で、組合は組合員の事業を支援するための事業ならばほとんどすべての分野で実施できます。
中小企業者にとって非常に設立しやすい組合として広く普及している最も代表的な組合です。
事業協同組合が行なう共同事業にはいろいろな種類がありますが、比較的多くの組合が行なっているものは、次のような事業です。
- 共同生産・加工事業
- 共同購買事業
- 共同販売事業
- 共同受注事業
- 研究開発事業
- 情報提供事業
- 人材養成事業
- 金融事業
- 債務保証事業
- 福利厚生事業
火災共済協同組合
中小企業者が、火災等によりその財産に生ずる損害を填補することを目的とした組合です。行なえる事業は火災共済事業だけに限られ、その設立は事業協同組合と異なり、出資総額、組合員数等に制限があります。
信用協同組合(信用組合)
中小企業者、勤労者及び地域住民が相互扶助の精神に基づき、協同して預金の預け入れ及び資金の貸付等の信用事業等を行なう組合です。
協同組合連合会
協同組合が単独で行なうよりも、大きな効果が期待できるような共同事業(例えば、共同宣伝・共同購買・情報提供事業等)を行なって、その会員である協同組合及び組合員の経済的地位の向上を図ることを目的とする協同組合の連合体です。
企業組合
個人事業者や勤労者などが4人以上集まり、個々の資本と労働を組合に集中して、組合の事業に従事し、組合自体が一つの企業体となって事業活動を行なう組合です。
他の中小企業組合と異なり、事業者に限らず勤労者や主婦、学生なども組合員として加入することができ、その行なう事業が限定されないことから、小規模な事業者が経営規模の適正化を図る場合や安定した自らの働く場を確保するのに適しています。
協業組合
組合員になろうとする中小企業者が、従来から営んでいた事業の一部又は全部を共同して経営し、事業規模を適正化して生産性の向上を図ろうとする組合です。組合員は必ず事業者でなければならず、統合した事業については原則として行なうことができなくなります。
商工組合(工業組合、商業組合)
商工組合は業界全体の改善と発展を図ることを主な目的とする同業者の組合です。業界を代表する同業組合的性格を持つことから、組合の地区は原則として都道府県を地区とすること、その地区内の同業者の1/2以上が組合員となるものでなければならないこと等の設立の条件があります。
商工組合が行なう事業には、次のようなものがあります。
- 組合員の事業に関する指導教育、情報の収集提供、調査研究
- 組合員のためにする組合協約の締結
出資商工組合と非出資商工組合
商工組合には、出資制の組合と非出資制の組合とがあり、出資制の組合にあっては、上記の事業と併せて、共同生産・加工、共同販売、共同購買等の共同経済事業も行なうことができます。
商工組合連合会
会員である商工組合の行なう事業を総合的に行なうことにより、中小企業者が営む事業の改善発達を図ることを目的とする商工組合の連合体です。
商店街振興組合
小売商業・サービス業を営む事業者が商店街を中心にして設立するもので、街路灯、アーケード、カラー舗装、共同駐車場やコミュニティ施設を設置するなどの環境整備事業を行ない、魅力ある街づくりを推進しようとする組合です。 その他にも、共同購買、共同宣伝、共同売出し、商品券の発行などの各種共同経済事業を行なうこともできます。
生活衛生同業組合
飲食、美容、理容、旅館、公衆浴場、クリーニングなど国民生活の生活衛生に特に関係の深い業種の事業者によって組織されるもので、現在17の業種が指定されています。
事業としては、適正な衛生管理や衛生施設の改善向上を図るため、営業方法の取り決めや営業施設の配置基準の設定などを行ない、また、健全な営業を妨げているゆきすぎた競争をとりのぞくために、行政庁の認可を受けて料金や販売価格の制限なども行なうことができます。