組合運営Ｑ＆Ａ［除名］

除名

［Ｑ30］除名要件について

定款例第１３条第１号に規定する「長期間にわたって組合の事業を利用しない組合員」は、なぜ除名しなければならないか。
また、この場合の「長期間」とは、何ヶ月以上か。

［Answer 30］

組合は、組合員が協同して事業を行なうべきであって、長期間にわたって組合の事業を利用しないような場合は、組合制度の主旨に反し、また、同志的結合の意志を欠いたものと認められ、組合員たる地位を与えておく理由がないからである。
「長期間にわたって組合の事業を利用しない組合員」の長期間とは、社会通念上許される範囲の長期間で、組合および組合員自体が判断し決定すべきものであって、一般的に何ヶ月、何年とは定められない。

［Ｑ31］組合の申し合わせを破った組合員の除名について

小売業者の組合において、同じ商店街にある大資本経営のスーパーマーケットへの対抗上、同スーパーに入らないことの申し合わせを行なった場合、同スーパーに入ったことをもって、同組合定款の除名規定「組合の事業を妨げ、または妨げようとしたとき」に該当するものとして除名するのは適当か。 なお、除名された組合員は営業ができなくなる事情にある。
また、定款にスーパーに入った場合は除名する旨を規定することは適当か。

［Answer 31］

組合員が組合から除名されることによって、営業を続けることが不可能となる場合、その除名は独占禁止法第２条に規定する「不公正な取引方法等」に該当し、同法第８条第１項第３号から第５号違反となると考えられる。 また、組合員がスーパーマーケットに入った場合、除名する旨を規約または定款に定めることは差し支えない。 しかし、その結果、除名された組合員が、市場条例等の関係から、事実上営業を続けることが不可能となるなど、営業活動に著しく不利益を与えるような場合は、規約または定款はその部分について無効となる。