組合運営Q&A[加入]


加入

[Q15]加入拒否の「正当な理由」の解釈について

中小企業等協同組合法第14条では、組合員資格を有するものであっても、組合は、正当な理由があれば加入を拒否できると考えられるが、その「正当な理由」とは、どのようなものをいうのか。

[Answer 15]

「正当な理由」として認められるものとしては、次のような場合が考えられる。

  1. 加入申込者自体にある理由
    (1)加入申込者の規模が大きく、これを加入させると組合の民主的運営が阻害され、あるいは独占禁止法の適用を受けることとなるおそれがあるような場合
    (2)除名された旧組合員がただちに加入申込みをしてきた場合
    (3)加入申込み前に員外者として組合の活動を妨害していたような者である場合
    (4)その者の加入により組合の信用が著しく低下するおそれがある場合
    (5)組合の定款に定められている出資の引受け、経費または加入金の負担等が履行できないことが明らかである者である場合
  2. 組合側にある理由
    組合の共同施設の稼働能力が現在の組合員数における利用量に比して不足がちである等、新規組合員の増加により組合事業の円滑な運営が不可能となる場合。 なお、「正当な理由」に該当するか否かについては、その事実をよく調査し、その実情に応じて判断するのが適当と考える。

[Q16]加入金の性格について

脱退者の持分の払い戻しを各組合員の出資額を限度とする組合は、加入金の項目を削除することとされているが、加入金は徴収できないのか。

[Answer 16]

組合の財産は組合員共有のものであるが、各組合員が持っている組合財産上の分け前としての持分は、通常、組合の正味財産(一括譲渡価格=時価)を全出資口数で除して算定する。
このように計算された持分額が定款で規程されている出資1口金額より多い場合は、新規加入者から持分調整金として加入金を負担させないと新旧組合員間に不利益を生ずるので、このような場合には加入金を徴収できるとされている。
しかし、この加入金は脱退の際に払い戻す額によって算定するよう指導されているので、持分払い戻しが「各組合員の出資額を限度とする」組合にあっては、加入金を徴収しないこととしている。
ただし、加入にあたって諸雑費等の事務手数料は、定款に加入金の規程がなくても徴収しうるものと考える。


[Q17]法定脱退した組合員の持分譲受加入の是非

組合員Aは、組合員資格喪失により法定脱退したが、その未払持分を譲り受けることによりBの加入を理事会で承諾した。
このような資格喪失者の未払持分で譲受加入ができるか。

[Answer 17]

脱退した組合員の持分は、脱退と同時に持分のもつ身分権的なものが喪失しており、持分払戻請求権という債権として残っているだけである。
したがって、既に法定脱退した者の組合員としての権利義務を承継することとなる譲受加入ということはあり得ず、当該譲受人の加入は新規加入の手続きによらなければならない。

[Q18]脱退組合員の再加入について

事業年度末(3月31日)に自由脱退した組合員が4月1日に新規加入を申し出た場合に、理事会でこれを拒否することができるか。

[Answer 18]

加入も脱退の場合と同様、自由であることは協同組合の基本的原則であって、設問の場合も正当な理由がないかぎり、これを拒否することはできない。