組合運営Ｑ＆Ａ［役員選挙］

役員選挙

［Ｑ58］役員定数を超過した投票の効力について

連記式投票をとる組合の役員選挙に際して、投票すべき役員数を超過して記載された投票（例、役員定数１０人のところ１２人記載）、あるいは投票すべき役員数に達しなく記載された投票は有効か。

［Answer 58］

選挙すべき役員数を超過した投票は、全部（記載された被選挙人員、設例では１２人）無効である。
また、選挙すべき役員数に達しない投票については有効である。

［Ｑ59］指名推選における選考委員の資格について

指名推選制における選考委員は組合員でなければならないか。

［Answer 59］

選考委員は、組合の性格からして組合員から選ぶのが適当と考えるが、組合員以外から選任しても違法ではないので、特別の事情があるときは組合員以外より選ぶこともやむを得ないと考えられる。

［Ｑ60］地区別、部会別等による役員選挙の是非

総会において、地区別あるいは部会別に役員を選挙することは適法か。

［Answer 60］

中小企業等協同組合法第３５条第３項により、役員の選挙は「総会において選挙する」となっており、地区別あるいは部会別の選挙は総会における選挙とはならない。
また、この場合の総会とは、総会の開催されている会場のみを意味するのではなく、総会という機関そのものを意味していると解すべきであるから、設問の選挙が総会の席上であっても、部会別等による選挙は、部会別等に投票所を設けて行なう選挙と実質的にかわりなく、総会という機関において行われたこととはならないので適法とみることはできない。

［Ｑ61］認可を受けない変更定款による役員選挙の効力について

役員選挙の方法に指名推選を取り入れるように総会において定款変更の議決をして、その直後に指名推選の方法により役員の選挙を行ない、選ばれた役員は定款の変更につき行政庁の認可があった日に就任するものであることを同総会において確認した。
このような役員の改選は適法か。

［Answer 61］

定款の変更について行政庁の認可があった日に就任する旨の停止条件が付された役員の改選であるから、適法であると考える。

［Ｑ62］定数に満たない役員選挙等について

定款上理事の定数が「１５名以上１８名以内」と定められている組合において役員の選挙を行ったが、１０名しか選出されなかった。この場合どのような処理を行なうべきか。 （この組合の役員選挙方法は定款で連記式無記名投票または指名推選制度をとることになっている。）

［Answer 62］

1. 連記式無記名投票を行なった場合は、選ばれた１０名は役員として有効である。 ただし、定数に満たないから、残りの５名分について選挙をやり直す必要がある。この場合、不足分を選ぶ総会は可及的すみやかに開催される必要がある。
   なお、このまま残りの役員の選出を行わないで、いつまでも１０人のままでいることは定款違反となるので、行政庁における業務改善命令の対象となり得る。
   また、役員候補者が定数に満たないような組合においては、定款改正を行ない、実情にあった定数にする必要があろう。
2. 指名推選で１０人を選んだとすると、指名推選の場合は分けて行なってはならないこととなっているので、違法となり、この場合は、全員について選びなおすこととなる。

［Ｑ63］次点者の繰上げ当選について

理事の選挙を行なった総会の終了後、理事当選者に対して就任を依頼したが、就任を辞退した者がある場合は次点者を繰上げて理事当選者にすべきか。 新たに選挙をしなおすべきか。

［Answer 63］

総会において選挙を行ない、当選した理事が就任を辞退したときは定款または役員選挙規約等により次点者繰上げの定めのあるとき以外は、定数を欠く員数分の理事について新たに選挙し、補充すべきであると考える。

［Ｑ64］任期満了前の役員選挙について

任期満了前に改選のための役員選挙を行なうことは問題があるか。

［Answer 64］

新たに選出された役員は、前役員が辞任しない限り、前役員の任期が終了するまで役員に就任せず、任期満了の翌日に初めて就任することになるわけであるから、前任者の任期満了前に新役員を選出しておくことは何ら差し支えない。